世界をよくする現代思想

 「現代思想は目的をもっているという点で哲学とは異なる。」らしいのだが、同じような内容が反証・反証で堂堂巡りになっているあたりを見ると、専門家でも現代思想と哲学とをキッチリ分けるのは難しいらしい。哲学関連の本は初めて手にとったが、平易な文体でもあり入門書としては最適の部類に入ると思う。Amazon.comのなにかのレビューにあったように、システムのモデリング技法を習得する上で、このような抽象論を理解するのは非常に重要なことであると思う。本書の巻末には現代思想の大家達のブックガイド(オススメ本)が付与されているので、興味を持った思想家の次の一冊を手にとるにもちょうど良いのではないでしょうか。個人的にはローティとウィトゲンシュタインを手にとってみたいと思った。
 全体的にみて筑摩書房の新書はアタリが多い気がする。

世界をよくする現代思想入門 (ちくま新書)

世界をよくする現代思想入門 (ちくま新書)