こころの格差社会―ぬけがけと嫉妬の現代日本人

 格差が広がってきているのは経済面だけではなく、こころの「あり方」に格差が出てきている。勝ち組は負け組を理解することが必要であり、総て自分の力で勝ち取ったと勘違いしないことが必要だという。しかし、勝ち組が所有する外的要因(収入・地位・学歴)だけでは幸せは得られない。自分らしさを得ることが本当の幸せであると著者は語る。
 しかし、著者は勝ち組の代表ともいえる医者であり、持つものの理論である気もする(つまり俺も「嫉妬の現代日本人」なのか?)負け組の中には自身の力でどうしようもない事件・事故によって負け組に組み込まれてしまった人(ニートで言えば"つまづき型")がいることを理解すれば、今までほとんどの事は自分の好きのようにやってきた自分は幸せなのかもしれない(運も実力の内だけどね・・・)。がんばろう。
 多種の著作物からの引用もあり、著者の博学ぶりも発揮されていると思う。下流社会よりずっと読みやすい。